最新情報 不動産売却コラム
2026.11.06
名古屋市で相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除|要件と申請の流れ

相続した実家の売却は税金の確認から始める
名古屋市にある実家を相続し、住む予定がないため売却を考えるときは、査定と並行して税金の条件を確認しておきましょう。相続した空き家の売却には、一定の条件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。ただし、空き家であれば使える制度ではなく、建物の建築時期、親の暮らし方、相続後の利用、売却時期などを組み合わせて判断します。[1]
特に気を付けたいのは、売却の準備として行った片付け、解体、短期の賃貸などが、必要な資料や適用条件に関係することです。まず物件と家族の状況を整理し、税務署・税理士には税の適用を、不動産会社には売却条件を確認します。この記事では、名古屋市の確認書の手続きも含め、売却前に押さえたい順番を紹介します。税務の個別判断は行っていないため、実際の申告は所有状況と書類に基づいて確認してください。
3,000万円は受取額ではなく譲渡所得からの控除
この特例は3,000万円の給付金を受け取る仕組みでも、税額がそのまま3,000万円減る仕組みでもありません。売却による所得の計算で、定められた上限まで控除する制度です。売却代金、売却後に銀行口座へ残るお金、税務上の譲渡所得は、それぞれ異なる数字として整理する必要があります。[1][4]
譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。土地や建物を買った際の費用に関する資料が、ここで重要になります。建物の取得費には減価償却の調整があり、古い契約書の購入額をそのまま記入できるとは限りません。売却費用も、支払ったものがすべて譲渡費用になるわけではなく、売却に直接かかった費用かどうかを確認します。[4]
たとえば、説明用の仮定として、特例適用前の譲渡所得が1,500万円で、その人に3,000万円の控除枠が認められる場合を考えます。差し引く金額は譲渡所得の範囲となるため、残りの枠が現金で支払われるわけではありません。これは制度理解のための単純化した例であり、実際の税額試算ではありません。査定額だけを見て税金がかからないと決めず、購入資料や費用をそろえて相談しましょう。
建物と親の居住状況を確認する
原則となる対象家屋には、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、区分所有建物登記がされていないこと、相続開始直前に亡くなった方以外の居住者がいなかったことなどの条件があります。名古屋市内でも、築年数が古いという印象だけでは判定できません。登記事項証明書などで建築時期と登記の形態を確かめることが出発点です。[1]
親が一人で暮らしていた戸建てと、親と子が同居していた家では、確認する前提が違います。また、相続したマンションも、一般的な区分所有登記の建物であれば、この特例の対象家屋の条件に当てはまりません。日常の呼び方よりも登記や実際の居住状況を優先し、該当するか判断しにくい場合は、その点を税務署へ具体的に伝えてください。[1]
母屋と離れ、店舗、倉庫が同じ敷地にある場合は、敷地全体がそのまま対象になるとは限りません。国税庁は、一体利用の土地に複数の建物がある場合の対象範囲も示しています。現地の配置図や建物ごとの用途を用意し、どの建物と土地が制度上の対象なのか確認します。広い実家の敷地ほど、住所だけでは分からない事情を先に共有することが大切です。[1]
老人ホームへ入所していた場合も確認の余地がある
親が亡くなる前に老人ホーム等に入っていた場合は、実家に住んでいなかったから必ず対象外と決まるわけではありません。一定の認定や施設の種類、入所前後の利用状況などを満たせば、以前住んでいた家が対象となる場合があります。施設の名称だけで判断せず、契約書、入所日、要介護・要支援等の認定を確認できる資料を探しましょう。[3]
対象となる場合には、家を離れた後も親の家財の保管などに使われていたことや、事業・貸付け・親以外の居住に使われていないことなどが必要です。入所前にほかの人が住んでいたか、入所後に親族が移り住んだかといった経過も確認します。名古屋市の案内には老人ホーム等に入所していた場合の条件がまとめられているため、時系列のメモと照らし合わせると相談しやすくなります。[2][3]
要介護・要支援認定や障害支援区分の認定の有無は、特定の事由でその家に住まなくなる直前の時点で判断します。入所後に認定を受けたという情報だけでは足りません。また、入所から相続開始直前まで主として暮らしていた家屋がその老人ホーム等であることや、実家を離れる直前にほかの居住者がいなかったことも要件です。国税庁が掲げる施設の種類に該当するかを含めて確認してください。[3]
この段階では、都合のよい資料だけを選ばず、実際にどう使っていたかを整理してください。郵便物、公共料金、家財の写真など、当時の状況を説明できそうなものは捨てずに保管します。何を証拠として求められるかは申請区分などで変わるため、全部集めてから相談するより、先に必要書類を確認した方が無駄な取り直しを避けやすくなります。
相続した人と控除上限の関係を整理する
売った人が、対象の家屋と敷地等を相続または遺贈により取得した相続人であることも要件です。土地だけを取得した人と建物だけを取得した人が分かれている場合などは、単に実家を相続したという説明では判定できません。遺言書や遺産分割協議書、登記事項証明書を見ながら、誰が何を取得したのかを確認してください。[1]
令和6年1月1日以後の譲渡では、対象の家屋と敷地等を相続・遺贈で取得した相続人の数が3人以上の場合、控除の上限は一人当たり2,000万円になります。家族が何人いるかだけで決めるのではなく、制度上の取得者数を確認する必要があります。相続人それぞれの売却持分や譲渡所得も異なるため、家族全員で同じ計算結果になるとは限りません。[1]
相続の分け方は税金以外の事情にも関わります。特例だけを理由に名義を決めるのではなく、売却後のお金の分配、登記、家族間の合意まで一緒に整理しましょう。不動産会社へ査定を頼む際は、相続人が複数いることを伝え、価格の連絡先と意思決定の窓口を決めておくと、税務の確認事項も共有しやすくなります。
相続後の使い方と耐震や解体の条件
家屋を残して売る場合は、相続から譲渡まで、対象家屋や敷地等が事業・貸付け・居住に使われていないことが必要です。売却前に全部取り壊す場合、家屋について確認する期間は相続から取壊しまで、敷地等については相続から譲渡までになります。空いている間だけ人に貸したい、親族に一時的に住んでもらいたいと考える場合も、先に税務上の影響を確かめましょう。管理のための行為と居住等の利用の判断を、自己流で線引きすることは避けてください。[1]
売却方法は大きく、一定の耐震基準を満たした家屋等を売る方法、家屋を全部取り壊して敷地等を売る方法、譲渡後に期限内の耐震改修または全部取壊しを行う方法に分かれます。どの方法でも、相続後の利用などほかの要件が必要です。解体した場合は、取壊しから譲渡まで土地が建物・構築物の敷地になっていないことなども確認します。[1]
令和6年以後の譲渡では、譲渡後に工事をする方法もありますが、全部取壊し、または一定の耐震基準を満たすための工事は譲渡年の翌年2月15日までに完了する必要があります。耐震改修の場合には、工事完了後から確定申告書の提出日までに、耐震基準に適合する旨の証明のための調査または評価を終えた証明書等も必要です。単に買主がいつか解体する予定というだけでは足りません。売却条件を決める段階で、誰が費用を持ち、誰が工事を手配し、完了をどう確認するかを明らかにします。年末近くに売却するときは、工事と書類準備の時間も検討してください。[1][2]
売却前の解体が適切かどうかは税金だけで決められません。現況で購入を希望する相手がいるか、解体費用はいくらか、建物を残す選択肢があるかを比較します。先に解体してから売値を考えるより、現況売却と解体後売却の両方で手取りを試算し、適用条件と工事の実現性を合わせて判断しましょう。
売却期限は相続の日と制度の期限の両方を見る
この特例には、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限があります。これに加えて、現在公表されている制度の適用期間は令和9年12月31日までの譲渡です。相続からの期限が先に来る場合もあれば、制度の期限が先に来る場合もあるため、両方の日付を確認する必要があります。[1]
売却予定を立てるときは、相続登記や相続税の申告についても、それぞれ担当窓口へ期限を確認しましょう。親が亡くなった日、家が空いた日、施設へ入所した日、相続登記の状況、予定する売却日を分けて書き出してください。相続から日が浅いという認識だけで準備を先延ばしにせず、自分の取引に必要な期限を確かめることが重要です。
売買契約、代金決済、引渡し、工事の完了、確認書の交付、確定申告は、それぞれ別の工程です。期限ぎりぎりに買主を探し始めると、価格の検討や工事の調整に十分な時間を確保できないおそれがあります。不動産会社には税の特例を検討していることを最初に伝え、税理士が確認した期限から逆算した予定を組んでください。
売却金額と買主との関係にも条件がある
売却代金は1億円以下であることが必要です。この判断では、相続の時から、特例を使った売却の日から三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの期間に売った、一体利用の部分の分割売却やほかの相続人の売却も合算します。後日の売却により合計が一億円を超えた場合は、その売却の日から四か月以内の修正申告と納税が必要です。自分の受取額が1億円以下だから大丈夫とは限りません。土地を分割して売る計画がある場合は、関連する売却予定を家族間で共有して、まとめて税務相談を行いましょう。[1]
また、親子・夫婦など特別な関係がある相手への売却には適用できません。制度上の特別な関係には、一定の親族や特殊な関係のある法人なども含まれます。身内が買ってくれる場合や、自分と関係のある会社に売る場合には、一般の第三者への売却と同じ扱いだと考えないことが大切です。[1]
同じ被相続人から相続・遺贈で取得した対象家屋または敷地等について、すでにこの特例を受けていないことが要件です。また、売った家屋や敷地等に、取得費加算や収用等の特別控除など、ほかの特例を適用していないことも確認します。相続税を支払った場合に検討される取得費加算の特例とは、同じ売却について重ねて使えません。取得費加算にも相続税の課税や売却時期などの条件があります。控除の名称や上限だけで選ばず、適用できる制度を税理士に比較してもらいましょう。[1][5]
名古屋市の確認書と税務署への申告は別の手続き
名古屋市内の対象家屋等を売った場合は、市へ「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を申請します。これは確定申告に必要な書類の一つです。市が確認書を発行したことだけで、特例の適用が確約されるわけではありません。確認書の申請先は物件所在地の自治体、確定申告は原則として本人の納税地を所轄する税務署という役割の違いを押さえましょう。[2]
名古屋市の申請様式は、耐震基準を満たした家屋等の譲渡、取壊し後の敷地の譲渡、譲渡後に買主が改修・取壊しを行う場合で分かれています。まず自分の売却がどの区分に当たるかを決め、それに対応する添付書類の一覧を確認してください。別区分の様式を使ったり、必要書類の一部が不足したりすると、追加確認に時間がかかります。[2]
市の案内では郵送申請もでき、窓口へ行く場合は予約が必要です。申請したその日に交付されるわけではなく、確定申告の時期が近づくと申請の増加も見込まれます。名古屋市外に住んでいる相続人は、帰省日だけで全部済ませようとせず、事前相談と郵送を組み合わせた準備を考えるとよいでしょう。[2]
書類は解体や片付けの前から保管する
申告や確認書のための資料は、売却が終わってから探し始めると見つけにくいものがあります。登記事項証明書、売買契約書、居住状況を確認する書類、耐震改修や取壊しに関する書類など、売却の区分に応じて必要となる資料を先に一覧にしましょう。国税庁と名古屋市の双方の案内を見て、市への提出分と税務署への提出分を分けて管理すると整理しやすくなります。[1][2]
実家の書類箱には、昔の購入契約書や工事の領収書が混ざっているかもしれません。片付けを依頼する場合も、権利関係、購入、建築、増改築、税金に関する書類は処分しないよう伝えてください。必要かどうか分からない書類は、写真やスキャンで控えを作った上で専門家へ確認する方法が考えられます。工事前後の写真は撮影日が分かる形で残すと、状況説明に役立ちます。
取得費が不明な場合、税務上は概算取得費の扱いがありますが、まずは資料を探すことが大切です。家財整理の費用、管理の交通費、修理費などを一括して売却費用に入れず、税務上の区分を確認してください。手取りの資金計画には実際の支出を含めつつ、税金の計算では認められる費用を区別して整理します。[4]
相談前に一枚にまとめておきたいこと
相談の準備では、確認済みのことと不明なことを分けると話が進みやすくなります。家の所在地と登記上の地番、建築年月、親が住んでいた期間、施設の入所時期、亡くなった日、相続後の使用状況、相続した人、売却予定を一枚にまとめてください。分からない欄を無理に埋める必要はありません。不明であることを明示すれば、次に取り寄せる資料や質問の順番を決めやすくなります。
税務署への質問も「この家は対象ですか」だけで終わらせず、建築時期を確認できる資料がない場合に何を用意するか、複数の建物がある敷地をどう区分するか、買主による工事を予定するときの証明をどう確保するかなど、物件ごとの論点に分けておきましょう。相談した日と回答の前提をメモし、後から売却方法が変わった場合は改めて確認することをおすすめします。
家族の中で資料を持っている人と売却の窓口となる人が違う場合には、共有する書類の一覧も作っておきます。原本が必要か写しでよいかを確認してから発送し、郵送記録と控えを残してください。税務署、市、不動産会社に同じ状況を正確に伝えることが、書類の行き違いや説明の食い違いを減らす第一歩になります。
売却相談では税の条件と購入条件を一緒に伝える
不動産会社へ相談するときは、空き家の所在地、建築時期、相続した時期、現状の使い方に加えて、特例の適用を検討していることを伝えましょう。売却後に買主が解体する形を希望するなら、その期限や書類の協力まで含めた相談が必要です。価格だけでなく、税務上必要な工程を組めるかも比較することで、契約後の行き違いを防ぎやすくなります。
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税務上の適用判断は、資料をそろえて税務署・税理士へご相談ください。ヤマダ不動産 名古屋徳川店への査定相談では売却条件を整理し、税の確認は専門家へつなげて進めると、解体や契約を急いで後悔することを避けやすくなります。買取相談はこちら:https://www.sumu-ie.com/lp-kaitori/
参考情報
取締役社長
公開日:2026.11.06
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林 啓子
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